暴走するエネルギーに未来は託せない! ~年の初めに脱原発を誓う!~
「福島の原発は完全にコントロール化にある」とオリンピック招致の際のプレゼンテーションでの安倍総理の発言をあざ笑うかのように、放射能による汚染水は地下水に河川にそして海へと流れています。私達は今、この果てし無き負の遺産と向き合い将来の持続可能な生き方を真剣に模索しなければなりません。
日本で原子力発電の推進を行政計画として位置づけたのは「長期基本計画」(1956年策定)です。その後50数年にわたり自民党政権下、54基もの原発を設置するに至りました。原発事故後多くの人々の思いは脱原発に大きく傾き、当時の民主党政権下「2030年に原発稼動ゼロにする」方針が出されましたが、2012年の衆議院総選挙で自民党の圧勝を受けて成立した安倍政権はエネルギー戦略をゼロから見直すとして再び原発推進の路線を進めるだけでなく、事故の収束の道筋も不透明であり未だに核廃棄物の処理も見つからない原発輸出の働きかけをトップセールスとして諸外国で展開しています。
昨年12月、資源エネルギー庁は新しい「エネルギー基本計画」の中に原子力の項目を挙げ、原子力を「供給安定性・環境適合性・経済効率性を同時に満たす基幹エネルギー」と位置づけ積極的な利用拡大を図るとしています。この民意無視、原発回帰の流れを阻止しようと多くの市民がパブリックコメントを提出しています。
ドイツでは、福島の原発事故をきっかけに原子炉安全委員会に並ぶ第2の委員会として「安全で確実なエネルギー供給のための倫理委員会を設置しました。この委員会の倫理的評価の主な概念は「持続可能性と責任」です。リスクを文化的、社会的、個人的など総合的に判断し、原発大事故の可能性、次世代の負担、長期にわたる放射能物質による影響など考えると「断固たる拒否」の立場の見解を明確に打ち出し、再生可能エネルギーへの転換が可能な社会に向けて進んでいます。
国内においては、自然エネルギーで電力をつくる会社を作って電力を自給したり電力会社に売電したりする市民団体が増え、全国で120団体、458基(5万1640KW)に広がっています(2013年9月現在)。多摩市でも「多摩電力」が屋根貸し事業に取り組んでいます。また、ベルブ永山には放射能測定器が設置され市民の持ち込んだ食物などの測定が可能です。省エネ活動も重要です。私達は気がつかないでいるだけで随分無駄な電力を使っています。昨年の夏、多摩市で行った省エネアドバイザーが行った調査を元に市民の呼びかけに応じ省エネの実践例をスライドなどで紹介しています。
落胆ばかりしていないでやれる事からはじめましょう!そこから自分自身の変化が生まれ、社会の変化も生まれるはずです。そして、連帯の輪を広げていきましょう!
多摩ネット代表 原田恭子