ヒートアイランド対策、待ったなし…測ってみました、多摩市の気温
9月に入って少し和らいだとはいえ、今年の暑さも異常でしたね。多摩市はようやく小学校の体育館の遮断熱工事とエアコン設置が予算化され、来夏には体育の授業が中止になる心配もなくなるようですが…。
さて、総務省発表をもとにしたNHKの分析では、熱中症の発生場所は住居に次いで道路が年々増加傾向にあり、特に東京都が顕著だとのことです。通勤や買い物途中や信号待ちでの恐ろしいほどの暑さ、アスファルトやコンクリートの夜間放熱による寝苦しさ、こどもの学校生活にまで影響を及ぼす異常な暑さ…と、いのちや暮らしへの影響に不安は募る一方です。…というわけで、多摩ネットで先日、市内5か所で気温測定を試みました(5班に分かれて、午後2時半に計測)。
和田公園内の樹木が道路に掛かる川沿いの道では、川風のせいか、地面から150㎝高さでの気温にはそう大きな差はないものの、こどもの身長程度の80㎝高さでは、木陰が34度~36度なのに対し、炎天下は40度。地表の温度だと、34度と48度という大きな差がありました。日陰が道路が熱くなるのを防いでいるんですね。ニュータウンで暮らすメンバーは、川風の気持ちよさに声をあげていました。
また市役所下の道路では、背に保存樹林などのみどりがある市役所側と、道路を挟んだ反対側を測ったところ、150㎝高さで約6度、80㎝高さで12度の差がありました。聖ヶ丘1丁目のバス通りでは、街路樹に加え南側の法面に育ったみどりのおかげか、80㎝高さの温度は木陰33.8度、炎天下(聖ヶ丘2丁目交差点)は49.7度と大きな開きで驚かされました。
これまでも多摩ネットは木陰の重要性を訴えてきましたが、直近の「多摩市街路樹よくなるプラン」(都市整備部)でも「みどりと環境基本計画」(環境部)でも、「木が多過ぎ、育ち過ぎ」だから「伐採」「間引き」という流れが強く、今の異常な暑さに対して積極的な策はありません。昼間の熱さに留まらず、コンクリートやアスファルトが夜間も放熱するヒートアイランド現象と異常気象に対し、市はもっと危機感をもち、エアコンだのみの対応ばかりでなく、将来にむけての対策を今からでも考えるべきです。