戦後80年、今こそ「戦争」を自分ごとに
戦後80年の節目を迎えました。先日参加した戦時中について知るためのワークショップで、ある大学生が「韓国にルーツを持つ友人ができたことで、戦争が急に身近に感じるようになった」と話していたのが印象的でした。「戦争はダメ」と教えられてきたけれど、“なぜダメなのか”を実感をもって学ぶ教育が必要だとも。
私自身もかつては、戦争を「過去の暗い歴史」として、どこか遠くに感じていました。でもあるとき、その歴史が、私のごく個人的で深刻な悩みと地続きだと気づきました。たとえば家族関係や社会の不平等。根底には、日本社会の構造、そして戦争の敗戦を契機とした制度や価値観が強く影を落としていると感じたのです。
それから少しずつ学び始めました。でも、この80年を振り返るテレビ番組や書籍を見ていると、自分の知らない世界がいかに広がっているかを思い知らされます。一方で、戦争を体験した世代が少しずついなくなっている現実に焦りも感じます。
戦争は、本当に何世代にもわたって傷を残します。そして、私たちが日々積み上げている日常も、戦争が起これば一瞬で壊れてしまう。そう思うと、私たちがどんな仕事をしていても、どんな活動をしていても、「戦争を起こさない、させない」ことが根底になければならないのではと感じます。
戦争は、ある日突然始まるものではありません。日々の無関心や、差別的な言動、小さな分断が積み重なった先に、気づけば戦争につながっていた──という歴史が、確かにありました。
競争ばかりをあおる社会や、物質的な豊かさばかりを追い求める暮らしのなかで、私たちは何を失っていくのか。目に見えないつながりやぬくもり、人としての誠実さを、大切にできているのか。時々、立ち止まって考えたい。
そしてそんな問いを、身近な人と話し合ってみる。今、自分にできる小さな選択を、大切にしていく。それがきっと、「平和を守る」ということの第一歩なのだと思います。
8月17日(日)〜8月24日(日)、パルテノン多摩にて、今年も多摩市平和展が開催されます。平和の大切さにふれる展示をぜひご覧ください。
生活ネット会員 西嶋