「子育てケアマネ」に対する声から考える 〜本当に必要な支援とは〜
4月、国会議員を交えた緊急集会で提唱された「子育て版ケアマネ」。参加した与野党議員から「3年以内に実現を!」といった前向きな声が上がる中、SNS上では賛否両論が飛び交っています。特に「そんなことより税金を下げて」「とにかく寝かせて」といった、現場の切実な声が目立ちます。
たしかに支援制度の多くは申請主義で、「知らないと受けられない」現実があります。虐待やDVの当事者が自分の状況に気づけていないことも多く、深刻化する前に関わる仕組みとして、実現すれば非常に意義ある一手といえます。
とはいえ、「話を聞くだけでは助けにならない」という声もまた真実です。多摩市でも育児家事支援や、ひとり親家庭向け支援が行われていますが、「人手が足りず希望日に使えない」との声も聞かれます。
また、出産後の面談や相談の機会があっても、相談内容が引き継がれず、母親が何度も同じ話をする負担や、「ご連絡します」と言われたまま数ヶ月放置されるケースも聞きます。
一方で多摩市には、児童館などを拠点に、専任の子育てマネージャーが配置され、相談や情報提供を行う体制も整っています。「本当に親身になって話を聞いてくれる」「まるで自分のお母さんのよう」といった声もあり、子どもだけでなく親にとっても大切な居場所になっていると評価されています。
大切なのは制度の“形”以上に、“届く”こと。「子育て版ケアマネ」への懸念は、これまでの支援が期待どおり届かなかった経験から生まれているのかもしれません。現場の声をしっかりと受け止め、ともに制度を磨いていく姿勢が、今こそ自治体に求められています。