なな山の植物 牧野標本館へ

今春、なな山では「標本プロジェクト」が発足しました。緑地内の植物を標本に作成し、学術標本として首都大学東京牧野標本館へ寄贈する取り組みです。

牧野博士が名付けた「タマノカンアオイ」の標本

牧野博士が名付けた「タマノカンアオイ」の標本

6月1日は3月から採取した草本と木本の押花標本の持ち込みと標本館の見学に行ってきました。まずは加藤英寿先生より、標本館の説明を受けました。植物分類学の故牧野富太郎博士が収集された約40万点はもとより、海外、国内の研究者の分も合わせ約50万点が所蔵されているそうです。電動式コンパクターが設置された内部は温度、湿度管理がなされ、カビ、虫予防のため年2回春秋に燻蒸を行うそうです。研究が進むほどに数は大量になり、歴史的遺産となる標本管理はとても大変というお話しでした。

実際の標本を見せていただきながら、扱い方、調べ方等を教えていただきました。学名はすべて英字標記なので、自ら調べ出すのはなかなか困難なのでは・・・。

メンバーからの要望で見せていただいた牧野博士が名付けた「タマノカンアオイ」は1894年、川崎市多摩区で採取。キキョウ科の棚には白馬岳や飯豊山のリンドウもあり、100年以上経った現在、目にすることができる貴重な体験でした。植物の事を知りたければ、いかに標本をたくさん見るか、作成するときは同定間違えは気にせず、ラベルのデーターをきちんと書く等を教わりました。

加藤先生に標本をみていただきました

加藤先生に標本をみていただきました

 

最後に3月から採取し大切に作成したそれぞれの標本を先生に見ていただき「すばらしい!」「とてもいいですね」の言葉に一同ほっとした思いでした。総勢13名、全100点を納めることができました。2~3年のプロジェクトは、これから夏の花、秋の花へと続きます。

石井栄美子