未来の大人を育てる  ~ESD多摩地区コンソーシアム研究発表会~

 多摩市の市立小中学校では、ESDに力を入れており、全校がESD推進拠点と位置づけられるユネスコスクールに加盟しています。 ESDとは、「持続可能な開発のための教育」のことで、多摩市では、「2050年の大人づくり」を目標に掲げ、学校や行政はもとより、地域や企業などとも連携して多彩な取り組みが実践され、全国的にも大変注目されています。
 ユネスコスクール全国大会が多摩市で開催されるのを機に、11月30日、ESD多摩地区コンソーシアム研究発表会が、多摩センターのペペリビルで開催されました。
 第1部の「子ども未来会議」、では、市内小中学校の代表20名が小グループに分かれ、3つのテーマで2030年のまちと自分たちにできる事を話し合いました。事前に2回の会議がもたれ、その結果も会場に張り出されています。大勢の大人たちが、話し合いの様子を周りで見守る中、緊張気味の子もいましたが、活発にしっかりした意見を発表する様子に見学の大人たちも聞き入っていました。

ワークショップの様子。上に貼られているのは事前に行われた時のもの

 第2部の「多摩ESD地域&産学官と小・中学校の交流会」は、地域のグループ、大学、企業が学校と連携しESDに取り組んでいる事例がたくさん紹介されました。多摩市が、多様なリソースを抱える活力ある地域社会であることを、改めて感じました。
 ESDは、環境・エネルギー教育の側面でとらえれがちですが、2050年の大人づくりの目標が示すとおり、地域、社会のさまざまな事に関心を向け、それを自ら課題として考え、行動する未来の大人を育成する取り組みです。未来会議参加した子どもから、「何気なく日々過ごしていたが、この会議をきっかけに、自分たちにできる事に気がついた。」との感想が発表され、頼もしさを感じます。多摩市で育った子どもたちが、多摩市はもとより日本を支える大人となる日が、目に浮かびました。

多摩ネット会員 武内喜則