多摩市のはずれ、和田地区に「なな山緑地」という雑木林があるのをご存知ですか?

今月18日に行われる多摩ネット30周年イベントのウォーキングコースの下見と元「なな山」地主の住崎さんに会うために出かけてきました。この日は、月2回のボランティアの活動日で、草を刈ったり木を切る作業の方々が山の手入れをしていました。 

 初めに住崎さんより平成13年9月にお父様が亡くなり、守り育てた山を残すために多摩市に寄付するまでの経緯を伺い、案内していただきました。

穏やかな山道の両脇にクヌギ、ミズナラなどの広葉樹とスギ、ヒノキの針葉樹の林が広がっています。足元にはササを中心にコウヤボウキ、リンドウ、アザミが咲いていました。湧水もありサワガニもいるそうです。春にはさまざまな野草が林床を賑やかにすることでしょう。 

 昔は人々の暮らしと里山には密接に繋がっていて、落ち葉や枯草を集めてたい肥作りをし、木を薪や椎茸のほだ木に使い、田畑を耕していたこと。今でいう循環型社会が当たり前にありました。

最近、都市ではすっかり姿を消した里山。お話を伺いながら、豊かな自然を守っていくのは簡単ではないこと。強い意志をもって未来に残そうとする思いに胸を打たれました。 子どもたちのためにも末永く残したい多摩の里山です。

石井栄美子