インフルエンザの急な発熱、休日診療はどうなってる?

10月以降、都内ではインフルエンザの感染拡大が続いています。多摩市内でも保育園や学校を中心に集団感染の話をよく耳にするようになりました。

 

特に困るのは、休日や祝日に発熱した場合です。インフルエンザ治療に有効なタミフルなどの薬は、できるだけ早く服用することが推奨されていますが、かかりつけ医が休みだとすぐに受診できず、もどかしい思いをすることがあります。

 

そんな中、多摩市では「休日診療当番医」の制度により、少なくともどこか1つの医療機関が休日も開いている仕組みがあります。非常にありがたい制度ですが、「内科のみ」や「小児科のみ」の場合があること、年齢や症状によっては診てもらえないケースもあることには注意が必要です。

 

実際に「4歳の子どもが発熱して日曜に当番医に連絡したが、年齢的に受け入れ不可だった」という声も届いています。小さな子どもを抱える家庭では、子ども本人の症状をどう判断してよいか分からず、不安が倍増します。

 

もちろん、こうした緊急外来には現場の負担もあります。夜間や休日の「初めまして」の子どもを診ることは、小児科医にとって大きなプレッシャー。小児科の担い手が減り、診療所の経営が厳しくなっている現状では、保護者の不安と現場の苦労はどちらも無視できません。

 

だからこそ必要なのは、地域と自治体、国が一体となって、子どもと家庭を守る医療体制を整えることです。保護者も医療現場も、どちらかが無理を背負うのではなく、「急な発熱でも安心して受診できる仕組み」と「現場が疲弊しない持続可能な医療提供体制」を、政策としてしっかり支えていく必要があります。M

 

2025.11.24 永山第六公園付近にて撮影