多摩市平和展プレ企画「戦争とこども」〜身近な戦争遺跡から学ぶ
今年も8月17日から多摩市平和展が開催されます。それに先立って開催された平和展市民会議主催のワークショップを見学しました。
このワークショップは、公募に応じて下さった多摩地域に住む大学生3名を迎え、「多摩火工廠」と「田奈補給廠(現・こどもの国)」に関する学習を目的に、6月21日と28日の2回シリーズで開催されました。
6月21日は、かつて多摩火工廠で働いていた女学生から当時のことを聞き継いでこられたご家族のお話や、パルテノン多摩の橋場学芸員からは施設の歴史や当時の役割などをうかがいました。女学生の日記をみんなで読み合わせながら、当時の生活や心情に思いを寄せる時間にもなりました。
多摩火工廠は現在、米軍のレクリエーション施設として管理されているため、28日は当時、やはり火薬を扱う危険な仕事を学徒勤労動員が担っていた田奈補給廠(現・こどもの国)を代わりに見学しました。
こちらでは、ガイドの方の案内でこどものレクリエーション施設に今なお残る戦争遺跡を辿りながら、この広大で山深い場所で中学生くらいの子どもたちが爆薬を取り扱っていた当時に思いを馳せました。
若い世代とともに平和を語り考え、「伝えていくこと」の意味を共有できたのは、この戦争遺跡を間近でみられたからともいえます。参加者の中には「多摩火工廠が身近な場所だから」と参加動機を語ってくれた方もあり、多摩火工廠跡が今も残っている重さを改めて噛み締めました。
ワークショップの様子は平和展の会場で展示されます。多摩火工廠の展示や講演と合わせて、ぜひ足を運んで下さいね。