世帯単位では届かない

4月28日~29日に府中公園で開催されたコロナ困りごと相談会

コロナ感染症の収束の気配が一向に見えてこない中、「この先、どうなるんだろう」という生活の不安と、危機感を共有できていないのではないかという政府への不安は膨らむ一方です。今日、コロナ感染症対策の一環である特別定額額給付金(10万円一律給付)を含む補正予算が成立しましたが、家族一人当たり10万円ずつをまとめて振り込むという「世帯単位」の考え方に、社会の変化への薄い認識がうかがえます。

10万円の一律給付にあたっては、DV等によって避難している方に対して4月27日、28日、30日に限定し、先行手続きを行うよう内閣府、総務省から地方自治体に通知がありました。世帯主からの被害から逃げている場合、被害者本人が受け取るのは困難なため、先に本人に振り込むということでしたが、虐待を受けている子どもや高齢者、施設入所者など、配慮を必要とするケースは多様です。支援がさらに必要になってくる今後のために、申請書の郵送を個人宛に郵送するなど、必要な人に必要な支援が届くための検討が必要です。

生活者ネットワークは、確実で安全な給付のための配慮や、外国人や障がいをお持ちの方などへのわかりやすい日本語や多言語のお知らせ、ホームレスやネットカフェ生活者など住民票を持たない人々や児童養護施設ほか施設にいる方々への情報提供の工夫などを、各自治体に要望しています。
これからさらに厳しさを増す雇用や育ち、学びの保障…。リーマンショック以降、政治は何をしてきたか…。改めて問われることになります。