標本作りも終盤に

2017年7月31日 13時10分 | カテゴリー: トピックス, なな山, 環境

2016年春に発足した「なな山緑地植物標本プロジェクト」は2年目を迎えました。緑地内に生息する植物を採取し、押葉標本を作り牧野標本館へ寄贈する取組みです。 標本作り1年目の春のなな山は、草木が一斉に芽吹きホトケノザ、シュンランから始まり、次々に咲く花々を見つけては根を掘り上げ、美しい花をつけた状態を保ちながら新聞紙に挟む作業が進みました。

ヤマユリ

カマツカ

完成度を上げるために根は水洗いし、花と葉っぱは表と裏を配置。植物の持っている特徴を最大限に生かします。家に持ち帰り10kgの重しをし、新聞紙は乾くまで毎日取り換え様子を見ます。手で持った時、垂れ下がらず硬く水平になれば乾燥完了。

その時、その場所に生息した証しの標本は、時に美しく繊細で生命力に満ちています。ただの草などと侮ってはいけません。思いのほか根っこの深いランの種類。ツルがグルグルしたセンニンソウやカニクサ。ルーペをかざさないと見えない小さな小さな花。それぞれにあっと驚くほどの特長を持っています。今年の6月末までに、木花と草花を合わせて340点を採取。完成した順に計4回標本館に納めました。

キューイフルーツ

2017年2月には納めた完成標本の見学へ。メンバーと関係者でワクワクしながら首都大へ出向きました。ヤッコソウの付いた台紙に丁寧に貼られ、Yリストで学名を調べ作成したラベルが置かれた標本は、どれも力作で目を見張る出来栄え。加藤英寿先生からも、愛を感じる、すばらしい標本とお褒めの言葉を頂き、一同感激の面持ちで見入ってしまいました。

なな山には、400種あまりの植物が生息することも判り、採取するものも少なくなりましたが、秋までもうひと頑張り。学術遺産となる標本作りに魅了され、携われた楽しさに改めてなな山緑地の存在の尊さを感じました。

石井栄美子